長野県白馬村みそら野にオープンした『みそら野キッチン』は、みそら野別荘地とエコーランド限定のフードデリバリーサービスです。運営にあたる『白馬綜合開発株式会社(みそら野管理事務所)』の代表取締役 菅野さんに、オープンにいたるまでの想いを伺いました。
はじまりはみそら野別荘地の奥さまたちの声
──なぜ不動産管理会社である『みそら野管理事務所』がフードデリバリーという異業種に参入されたのですか?
菅野有子さん(以下、菅野): もともと私自身は東京で金融機関に勤めていました。平成3年に隣の小谷村に家を建てて Iターンし、行政書士事務所を開き、大自然の中でのんびりやっていました。宅建資格を持っていたことから、このみそら野管理事務所とご縁が繋がり、入社。最初は、時に生じる不動産転売や相続などのお手伝いやお客様管理などをメインに業務をこなしていました。気がつけば、みそら野別荘地の皆さまとの関係が強まり、いろいろな声を聞くようになりました。そうすると、単に管理するだけでなく、別荘の方々のニーズをくみ取って形にしていく必要性を感じ始めました。かれこれ20年以上前の話ですね。当時、主に別荘の奥様方から「着いて掃除、ご飯作り、ご飯作り、ご飯作り、帰りにまた掃除。せっかくの別荘なのにゆっくりできないわ」という声が多く上がっていました。今ほどレストランもなかったですし、炊事もお掃除も自分たちでやるしかなかった時代でした。
ゆっくり別荘ライフを楽しんでいただける。そんなみそら野にするのが私たちみそら野管理事務所の役目ではないか、そう思いました。しかし、飲食に関してはノウハウもなかったですし、資金の問題もありましたから、すぐには実現できませんでした。
そこで、まずお掃除の問題から解決しようと、地元に外注することから始めました。ただ、人手不足から全てのご要望にお応えできなかったり、掃除の仕上がりの質の差があったりで、外注の限界を感じていました。その後ノウハウを持ったスタッフが入社したこともあり、今では専門チームを組み、お掃除サービスを自社で行っています。質も確保され、実働的になっています。『家のことを気にせず、のんびりゆっくり過ごしてほしいよね』15年前、そうつぶやいた頃からの夢。お掃除サービスという形で、ひとつは最近ようやく確立されました。では、もうひとつの夢、飲食はどうかというと、夢としてずっと持ってはいたのですが、なかなか実現できずにいました。
── その夢が今回『みそら野キッチン』として実現したわけですが、実現したきっかけはありますか?
菅野: 「食事の支度を気にせず、ゆったり流れる時間に身をゆだねて過ごしていただきたい。それも、レストランではなく、家の中で気の置けない家族や友人たちと美味しい料理を囲んで楽しい時間を過ごして欲しい。」
そんな夢をずっといろんな方面で語っていました。折からのコロナ禍、観光地が大打撃を受けていた頃、銀行の担当者が『事業再構築補助金』という制度が始まる、という話を持ってきてくれました。私たちの夢を忘れずにいてくれたのです。
資金は事業再構築補助金を利用することで目処は立ちました。でも、飲食経験のない素人がどうやって立ち上げ運営していくのか。ここでも、新たな方々との出会いが夢の実現への後押しとなりました。「やってみようよ」とアイデアを後押ししてくださる方。事業計画に具体的に落とし込んでくださる方。運営ノウハウを授けてくださる方。計画が具体的になってからは、実際のメニューの構築をしてくださった地元ゆかりのフードコーディネーター仮屋山さん(Open! Kitchen! 主催)。他にもたくさんたくさんの方に助けていただきました。
言い出せばきりがないくらい苦労の連続だったけど
──『みそら野キッチン』オープンまでに苦労したことはどんなことでした?
菅野: 専門外の分野ですし、専門家の意見を聞いても不安だらけでした。想いだけでは進められないこともたくさんありました。たとえば、ここ数年の間にみそら野の顧客層は、従来の別荘の方たちに加えて貸別荘利用の外国人、都会の若者へと広がっていて。従来の別荘オーナーさんに加えて、そういった新しい方々に何を提供したら喜ばれるのか、、。また、仮に全顧客層に向けて幅広くメニューを提供した場合、少人数のキッチン料理スタッフではたしてどのような対応になるのか、、などなど。
それでも、20年前の『ご飯の支度を考えないで過ごせたらいいのに』という奥さま方の声が前に進む原動力でした。そして皆で一生懸命切磋琢磨して、ここまで来ました。ただ、今決めた物も本当のニーズとは違うかも知れないという心配と不安がまだまだ大きいのが正直な心境です。でも、そこは今後フレキシブルに対応して『みそら野キッチン』を多くの方に皆様に愛されるフードデリバリーに育てていきたいと思っています。
── 逆に、『みそら野キッチン』オープンまでで楽しかったことはありましたか?
菅野: 『みそら野管理事務所』では『みそら野だより』という通信を発行しています。立派な冊子を発行している別荘地も多い中、手作り感満載のA3プリントです。皆さん毎号楽しみに読んでくださっているようです。そこに前回『みそら野キッチン』の予告を載せたところ、女性だけでなく、男性からも『みそら野キッチン』を楽しみにしているよと声をかけていただくことが増えました。皆さん、私たちの働きを見てくださっているんだな、楽しみにしてくださっているんだと実感しています。
── 改めてみそら野キッチンに期待して欲しいことはありますか?
菅野: 昔は食事は自分で作るのが当たり前、の時代から、外食に、そしてコロナ禍をきっかけにデリバリー文化が浸透してきました。そういうデリバリー店が『みそら野』にあれば、2泊以上で、今日はレストランに、今日は出かけず家でデリバリーをという変化に富んだスタイルが負担なく実践できます。初めて来た貸し別荘で、おしゃれなリビングでゆっくり食事をし、非日常の世界を楽しむことも可能です。ゆっくり時間が流れる白馬、みそら野の時間を、『みそら野キッチン』のお料理の数々と一緒に堪能してください。
── ところで、菅野さんが個人的にお薦めするメニューはどれでしょう?
菅野: 全部!と言いたいところですが、そういう訳にもいかないので(笑)。夏のプレオープン時に、テスト的にバーベキューセットを購入して東京から帰省してきた私の娘やその若い仲間に食べてもらったところ、大変好評でした。蓋を開けた途端に目が輝いていましたね。また、「みそら野おかず箱(※クリックでデリバリーWebに飛びます)」は、仮屋山さんや関係者みんなが試行錯誤して作り上げていった、その過程に寄り添ってきたので、思い入れがあります。ぜひ一度食べていただきたいです。「みそら野おかず箱」やオードブルは手をかけずにそのまま食べられるので、たとえばゆったりワインを呑みながらバーベキューのお肉が焼けるのを待つ、その間に召し上がっていただきたいです。
あと、このような出来事がありました。JR白馬駅前の『S不動産』さんが、キッチンオープン直後に「みそら野おかず箱」とオードブルを計17個(!)を「社員と家族の集まりで食べてみます」とオーダーしてくださり、試食の時からの進化がすごいと絶賛してくれたんです。それを聞いたときに、すべてにおいてまだまだ試行錯誤と進化の途中ですが、「きっとやれる!!!!」、そのように思えました。勇気をいただきました。
── 『みそら野キッチン』の建物が完成した時の感想を聞かせてください
菅野: まず、想定以上におしゃれでかっこいい建物ができあがったな、と。そして、お料理を作る人が楽しく作れる、気持ちよく働ける場を作るのが社長である私の仕事だな、と改めて思いました。
みそら野キッチンは時代のニーズにフレキシブルに応える
── まだオープンしたてですが、『みそら野キッチン』の将来像はどのように考えていらっしゃいますか?
菅野: 今のみそら野別荘地は、別荘を持っている方だけでなく、自宅として住んでいる方、飲食店などの営業をする方、貸し別荘も増えてきています。別荘地開設から60年経つうちに、時代時代の要求に合わせてきた結果です。『みそら野キッチン』も、皆様のお声を聞きながらフレキシブルに対応していきたいと思っています。
今は、最短で前日正午までの予約で翌日夕方配達、または店頭受取という別荘にお越しくださる方のご利用をメインに考えた営業ですが、皆様のご利用状況に合わせてメニューや店の営業形態も変わっていくかもしれません。みそら野にお住まいの方やお仕事でいらっしゃる方にも利用していただける形も視野に入れてもいいかも、などと考えています。また、季節ごとお客様のニーズに合うようにメニューを変えていきますので楽しみにしてください。(これまた産みの苦しみ・・・笑)
まずは『みそら野キッチン』をご利用いただき、忌憚ないご意見をお寄せください。社長の私が受け止めます。そして、皆さんの中に『みそら野キッチン』が根付いてほしいです。白馬の『みそら野』に行けば『みそら野キッチン』がある。部屋でゆっくり美味しい料理が楽しめる。いらっしゃる前から期待していただけるサービスになりたいです。
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